わたあめ―kimi to hajimete―

意外な一面



「よかった。まだ来てない。」

とりあえず、バイクを駐車場に停めて入り口で待つ。もうすぐ1時間が経とうとしていたとき目の前に一台の車がきた。


(スゴい…ホントに1時間以内で着てるし……)

「お待たせしてすいません。
乗って下さい。」

「あ、はい。失礼します」

私が乗ると、すぐにもときた道をまた走り出した。


車内では驚きの連続だった。まずCDが矢野さんは絶対クラシックとかだと思っていたのに、意外にPOPとかが多い…。


「意外でしたか?」

クスッと笑う矢野さんの顔はどこかいつもと違っていた。


「はい、正直ちょっと。
でも……。」

「でも?」

「意外だと思うのは、私の中で勝手に矢野さんのイメージが出来上がってしまっているからだと思うんです。なんていうか……勝手に期待して勝手失念するみたいな??
あ、何言っちゃってるか分かんないですね!スミマセン(苦笑)」


やっぱり、会話は苦手だ。

「いえ、そんなことありませんよ。」

そう言って笑う顔は
いつもの矢野さんの顔だった。


「さ、着きましたよ。
車を停めて来るので先に行っててください。」

「あ、はい」

車を降りて店の中に入ると何人かのスタッフが来ていて、既に出来上がってる人もいた。


「「綾乃ちゃん!あけおめ〜♪
ことよろ〜♪」」

「おめでとうございます!
今年も宜しく御願いします!!」


「「さぁ!飲もう!!」」

まだ飲むんですか!!

とか、思いつつ、ちゃっかりグラスを持って乾杯をしていた(笑)



しばらく飲んでいた後、出来上がってしまって眠っていた佐藤君が突然叫んだ。
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