わたあめ―kimi to hajimete―

誕生日…



「なんで!?
なんで優しくするの!?
私、馬鹿じゃない!!もしかして嫌われてないかもなんて…っ
あんなの買っちゃって!!」

ふーっ、ふーっ……
一気に言って、息が上がる。

「もう!離して……っ」


………なんで……?


神田が腕を引っ張った瞬間、抱き締められていた。顔が熱くなってく。

「な、なにすん「嫌いじゃない。」

……え?

腕に力が込められて、
神田の顔を見ることが出来ない。

「嫌いじゃない。
さっきは、何も言えなかったんだ。その…嬉しくて…。」

「え……?」

(嬉しかった……?)

「だってさ、選んでくれたんでしょ?俺のために。」

そりゃ、似合わないのはあげらんない…。

「うん。ショップに行って、
店員さんに聞いて…」



「それが嬉しかったんだ。
ありがとう。」


腕の力が緩んで、顔をあげると神田の笑顔があった。


なんか…逆に照れるんだけど……。

「プレゼントじゃなくて、お礼だから!!ほら、いつも送ってくれたりしたから!!だから…」

言い訳してるみたいだけど言っておかないと!!

「うん。でも、ありがとう。」

神田の笑顔が変わることはなかった。
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