わたあめ―kimi to hajimete―

無意識



「それで、伝言伝えたの?」

「……まだ。
だって、今日は無理でしょ」


「電話とかメールとかは?」

「番号交換してない。」

「………………は?!」

「番号交換してない。」

「あんたら、
付き合ってるよね?!」


「偽装だけどね。
そのジュース、一口頂戴。」


「いいよ。
なんで、交換しないの??」

「なんで、交換するの??」

「ハルはなんか言わないの?」


「特になんにも……」


「動物園のときとか…」

「動物に夢中になってた。私が。」


「明日、交換しなよ。」

「なんで?」

「なんででも!」

「だって、会う時間って
決まってるし、用件はその時言えばいいし。」

「カノ!」

「…あんまり、神田と関わるきっかけ作りたくない…」


「………なんで?」

「神田に関わると、
どうしても素がでちゃう。」


「いいじゃん?」


「よくない。
神田はクラスメートだし。
学校関係者は嫌いだ。」



「………分かった。
でも!せめてメアドは交換しなさい。なんかあった時、困るでしょ?メアドならすぐに変えることも出来るし……ね??」


………………………。


………………………。



「アキにはかなわないなぁ。」


「カノ!」


「神田に教えといて??」


「うん!って、カノ??
名前を呼び捨てしないの??」


「したよ?昨日。」


「これからずっとしなよ?」


「………努力する。」
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