わたあめ―kimi to hajimete―

なんで……



―放課後―



(つ、疲れた……。)



H.Rも終わると、
教室内から一斉に人が
出て行った。
最初は誰よりも先に出ようと
意気込んでいたけどこれなら、
後からでた方がいいと思った。




朝の平手打ちの後は、
予想通り、その事でクラスが騒がしかった。
騒ぎの先頭に立ったのは、
斎藤さんだった。


『クラノがハルをひっぱたいていた。』


まぁ、事実だったから否定しなかったんだが、
それがいけなかった。



女子達は神田春哉に心配するように駆け寄って声を掛け、
その後、私に向かって

「クラノサイテー!」

と、言うのだった。



男子達も似たような会話だった。
ただ、からかいを含んでいたくらいで。




とにかく疲れた1日だった。
今日を振り返っていると

いつのまにか、私と――――



神田春哉だけになっていた。





(あれ…、確かこいつ真っ先に教室出てなかったっけ………??)




確か女子に囲まれて教室を出て行った筈だ。
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