わたあめ―kimi to hajimete―

関係



公園には親子連れやカップルがちらほらいた。


早速、携帯を取り出して電話をかける。



プルル…プルル…


『お前、今どこにいんの?』



電話に出た相手の声は完全に怒っている声色だった。


(なんで怒ってんの…?)

「えっと、今公園にいるんだけど……なんか怒ってない??」



「当たり前だろ!!
家にも帰ってねぇ!
携帯は電源切ったまま!!これで怒らない奴なんているのかっ!!あ"ぁっ!!」


連絡するの…忘れてた…。



「あのね、これにはワケが「アキが『カノと連絡が取れない』って不安がってたんだぞ!!なにがあったかキッチリ説明しろや!!」



完全にキレてる……。
いくらなんでもアキには連絡をしておくべきだった。昨夜は久々のデートぽかったから連絡を控えたのがいけなかったんだ;


「ごめんなさい……」



電話の向こうでため息が聞こえた。


「あんまり心配かけんな…。
今どこの公園なんだ?」



「……分かんない。」


(ここ、何て住所だっけ…)



『分かんないって…
どういうことだ??』



「ちょ、ちょっと待ってて!」


保留にして、少し離れたところにいる神田に声をかけた。


「神田君!
ここの住所なに―?」


「ここ?〇〇だけど」


「分かった。
もしもし?今〇〇の公園。」


『なんでそんなとこに…
近くに誰かいんのか?』


「あ〜…うん…
昨夜泊めてくれた人。」


『そうか。
とりあえず迎えに来るから大人しく待ってろ。』


「うん。」


電話を切った途端声がした。



「迎え来てくれそう??」


「!!」


「橘さん??」


「あ、迎えに来てくれるって。」


「そっか、
じゃあそこのベンチにでも座って待たない?」


「うん…。」


迎えが来るまでのあいだ、少し話すことにした。
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