続・教師×生徒【恋愛物語】
夕食
キッチンに行くとお母さんは一番に冷蔵庫を開けた。


「今夜は、皆ですき焼きにしようと思ってるの。」


家族皆で1つの鍋を囲むなんて、どれくらいなかっただろう…。
パパとママが死んで以来、一度もない。


親戚の家族が鍋をしてても、あたしは決してその中には入れてもらえなかった。


「すき焼き、大好きです!嬉しい。」


「それは良かったわぁ。
じゃぁ、野菜洗ってもらっちゃおうかな。」


「はい!」


お母さんが冷蔵庫から取り出した野菜をあたしが洗って、それをお母さんが切る。


「あたしね…2人とも息子でしょ?慎吾のお兄ちゃんは海外で暮らしてるからお嫁さんともなかなか会えないの。
菫が来てくれて本当の娘みたいで嬉しいわぁ。こうやって料理するのが夢だったのよ。」



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