スカイ・フラワー
装飾係
それから三日…。

俺は今、学校の廊下を歩いている。

今日は文化祭準備の日だ。


あおい屋と真弓さんと離れるのは名残惜しかった。海にも別れを告げて、住み慣れた地に帰ってきた頃には、もう八月八日だった。

そして、今日八月十一日。

暑さは相変わらずアスファルトを溶かす勢いだ。

しかし、ここ私立涼森高校は冷暖房常備の学校であるため、校舎に入ってしまえば問題ない。

俺は教室の後ろのドアから、賑やか教室へと入った。

今日はクラス全員が強制で来なくてはいけない日なので、見慣れた顔が沢山だ。

勿論、山地もいる。

時刻は九時。集合時間にはギリギリで間に合った。

すると、先生が教室に入ってきた。

「おー!皆来てるな。俺はたまたま来ただけだからな。文化祭委員頼むぞー」

俺が席に着くと、前に座る山地が早速、後ろを向いて話してきた。

「よ!俺あの後から高円寺とメールしちゃったよっ!マジでメールも可愛いっ!」

ヒソヒソ声は然りだが、その口調からは気が高ぶっているのが手にとるように分かる。

「へぇ~」

「超・感激!!」

(いや…意味わかんねぇから)

そんな話をしていると、文化祭委員が教卓に上がり、説明を始めた。

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