＊執事サマの甘い誘惑＊

｢う…｣




ここ何日かのあたしの悩みに、この子はあっさり触れてしまった。


『執事』を見つけなければ、せっかく転校してきたこの小春川学園を…


３日後には退学。




｢あは…｣




引きつる顔で作り笑いする。


あたし、桜井結衣。


小春川学園の高等部一年。


ちなみに、あたしの家はめちゃくちゃ貧乏。


でもなぜかお祖父様は、億万長者の桜井財閥会長。


普通の高校へ入学したばっかりのあたしを、ここへ転校させたのはもちろんお祖父様。


お金持ちって苦手だし、｢立派なレディー｣なんて別になりたいわけじゃない。


平和な暮らしを選んだはずのあたしは、なぜかお金持ちの世界へ引きずり込まれ…


ここにいるしかない、というわけなのですが。






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