幕末恋々
「そうか、恋くんは強いね。刀傷は相当痛いものなのだよ。他の隊士も刀で斬られた時は痛がっていたよ。」








「そうなんですか。」







私は内心ドキッとした。本当はまだ痛くて夜は余り眠れなかて無かったのだ。








「その強さはきっと恋をしているからだろうね。」








「えっ!?」








「私の恋人の明里が言っていたんだ。女子は好いた人の為ならどこまでも強くなれるんやってね。」







山南さんはそう言ってふふっと笑った。






「・・・そうかもしれません。私はあの人の為なら死んでも構わない。あの人が、土方さんが無事で居てくれるのなら・・・。」










私はそう言ってまた門の方に目を向けた。
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