幕末恋々

還る場所

近藤さんが死んで随分経った頃、私は沖田さんのいる千駄ヶ谷へと来た。






「沖田さん、こんにちは。」








「あっ、恋さん・・・」








私が目にしたのは力なく横たわる沖田さんの姿だった。







近藤さんが亡くなって暫く経った頃、沖田さんの病状が日に日に悪くなっていったのは知っていた。だけどまさか此処までとは・・・






私は驚きを隠し、沖田さんの横に行く。






「もう大分暑いですね。まぁ京都よりはましだけど・・・」






私はそう言って沖田さんに笑いかける。






だけど沖田さんは真剣に私の顔を見る。






「沖田さん?どうかしました?」







私がそう聞くと今まで閉じていた口をゆっくりと開いた。






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