恋の花びら
「あのさ、」
今まで黙り込んでいた少女が急に口を開く。
そして、
スカートの裾を払いながら立ち上がった。
少女の瞳は真っ直ぐ俺を映し出す。
「私、彰くんのこと好きだから」
……耳を疑った。
その言葉が脳まで伝わるのは遅くて、
その言葉を否定しながら鼓動が速くなる。
「話しは……それだけ。じゃっ、じゃあね」
少女が俺に背を向け遠ざかっていく。
放心状態の俺を、
強まる鼓動が現実へ引き戻す。
小泉さんが俺を……?
嬉しいとか驚きより先に親友の顔が浮かび焦る。