恋の花びら
これでもかってくらい笑ってると、隣の少年の顔はみるみる不機嫌になった。
「悪いかよ」
「いやいや、悪くないけど笑えちゃって」
笑いすぎで出た目尻の涙を拭う。
「純歌、ムカつく」
翔太はすっごくブスッとして席を立ち、教室を出てってしまった。
ありゃりゃ。
怒らせちゃった。
でも、先に言ってきたのはあっちじゃん。
「小泉さん、また翔太怒らせたの?」
声が振り返ると翔太の友達の彰くんがいた。
「う~ん。そうみたい。あの年頃の少年は難しいわぁ」
「どこのおばちゃん?」
彰くんが白い八重歯をちらつかせて笑う。