ちょこキス
そこまで言った時には、郁太の胸の中で。

苦しいぐらいきつく抱きしめられて。

『好き』

言うつもりだった言葉は喉の奥に戻って行った。


「なんだよ。
嫌われてたんじゃなかったんだ。つぅか、ちゃんと両想いだったんじゃん。」

「ん。そ、だね。」

それしか言えなかった。

「美代、これからは、ちゃんとカップルだかんな?俺と付き合うっていうの覚悟しろよ?」

大ッ好きな彼氏にそんなこと言われたら

「うん!」

としか答えられないに決まってんじゃん

しばらくして、あたしのチョコを取り出して、口に放り込んだ。

「これから、俺のことうざいって思って、美代が離れたいってなっても、絶対離さねぇかんな?」

「ばーか。離れるわけないじゃん!一生しがみついてるっつーの!」

2人で目線を絡めて、初めてキスをした。
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