詩的物語〜君は恋してる〜

「しっかし、ほんま驚いたわ〜」

「まさか泣いてるとわね」

 三鷹くんと結菜がからかうように「ね〜」と言って顔を見合わせる。

「…うるさい」

 不機嫌そうにしゃべる東島くん。
私はその横顔をちらっとみる。
ちょっと口を結んで、どこか子どもみたいに拗ねる姿に親近感がわいてしまった。

 あの後、「あと少しだから」という東島くんが本を読みおわるまで待って近くのファミレスに移った。
 三鷹くんと東島くんが奥の窓側に座る。
三鷹くんの隣に結菜が座り、東島くんの隣に私が座った。

「ほら、いつまでも拗ねてるから奈々ちゃんに笑われとるよ」

「へっ?」

「…っ」

 三鷹くんがそういうと突然、東島くんは窓側を向いてしまった。

「てれてる〜」

 結菜はパフェを食べていたロングスプーンの先を東島くんに向けて、ぐるぐると回す。
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