詩的物語〜君は恋してる〜
「なあ、奈々」

「ん、何?」

「恋してる?」

「は?」


 初め、何を言われたのかわからなかった。
親友である結菜の何か含みのある笑顔に少し戸惑う。

「せやからな、恋しとる?って聞いたの」

「いや、してないけど」

 そう返すと結菜は、
「そんなんじゃ、女に生まれた意味ないやん!!」
と妙に意気込んで立ち上がった。

「行くよ!」

「どこに?」

「部活めぐり!」

 まったくわからない行動をとる友人を少し心配になった。

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