花 火
夢との境目







 「千晴…」








 達也は優しく私の頭を
 ゆっくりと撫でてくれる



 あのときとおんなじだった








 「俺さ、お前に
  呼ばれた気したんだ」








 私の願い、流れ星に
 届いたんだ…







 やっと、達也が
 本当に達也が
 今、私の目の前にいる
 ってゆうことがわかった。









 「お前…痩せたな?」








 私はあのときより
 かなり痩せてるらしい
 自覚はないのにね、










 「そ、そうかな?」






 達也は急に心配そうな
 顔を見せて、
 私を抱きしめた。









 「俺のせいだよな」









 そしてそう一言呟いた。










 「なんで…」





 「ん?」





 「なんで…
  居なくなっちゃったの?」








 思わず、言ってしまった。

 自分の頬に涙が
 まっすぐにおちた。







 それが合図かのように
 達也に泣きついてしまった。








 達也はそんな私を
 また優しくぎゅっと
 さっきより力を込めて
 だまって抱きしめてくれた。








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