Strawberry candy
Chapter 1

灰色

ー…空が灰色に染まる1月。

木々も裸になって、植物達が枯れてゆく季節。

短かった冬休みも終わり、今日から小学校最後の学期が始まる。

寒さも結構本格的になってきていて、上着を着ないととてもじゃないけど外にでるのは無理そうだ。

室内だってのに、部屋の気温は6度しかなくて、布団からでるのが本気でイヤだと思った。

朝食をとり、制服に着替えて行ってきますも言わないで、外にでる。

「う~っ寒いぃ~」

外は予想通り寒くて、あたしの吐く白い息が、透明な空気に溶けていく。

手に下げた鞄を1振りして、学校へ向かって走…りだそうとしたけど、別に急ぐ必要もないしと、ゆっくりと歩きだした。

もともと学校は好きじゃないし、楽しくなんかない。

唯一の楽しみなんて、友達の須藤 楓と話すくらいだ。

あ、もう1つあったかな…

まあこれはいいか。

ー…なんてことを考えながら、腰まである長い茶髪を揺らして、学校までの坂道をゆっくり歩く。

すぐに着いた。近いから。


教室に入ると…楓がいた。

「よ、楓」

と、声をかけてポンと肩に手をのせると、

「あぁ…よ、ことり」

と、同じように返してくれた。



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