ワガママな弟
「ねぇ…放して?
痛いよ。」
文句は言わずそこだけ
言ってみる。
そしたら廉は
ぱっと手を放してくれた。
「帰んぞ。」
それだけ言って廉は
あたしの手を引いて入口に向かって
歩いて行った。
休憩室でくつろいでいた涼さんに
お礼を言って
外に出る。
春だけど真っ暗な中の空気は
少し冷たかった。
廉は手を恋人つなぎに直して
歩き始める。
そういう行動の1つ1つが
あたしをドキドキさせてるって
気付いてるのかな…?
いっつもめちゃくちゃだけど
優しい廉。
大好き。