ワガママな弟




「ねぇ…放して?
痛いよ。」


文句は言わずそこだけ
言ってみる。

そしたら廉は
ぱっと手を放してくれた。



「帰んぞ。」



それだけ言って廉は
あたしの手を引いて入口に向かって
歩いて行った。


休憩室でくつろいでいた涼さんに
お礼を言って
外に出る。


春だけど真っ暗な中の空気は
少し冷たかった。


廉は手を恋人つなぎに直して
歩き始める。




そういう行動の1つ1つが
あたしをドキドキさせてるって
気付いてるのかな…?





いっつもめちゃくちゃだけど
優しい廉。



大好き。




< 98 / 112 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop