恋愛磁石
1.

作られた環境




「――未来ってさ、仲良いよね。田崎裕斗と」



午前の授業が終わり、いつもの4人で机を囲み、弁当を食べる。

たまご焼きを口に含んだままのあたしは、
意図のつかめない発言をした成海を黙って見つめた。



「あ。それ思ってた!
あの人、なんか怖くない?軽そうだし…」




成海の言葉に、香奈も頷いてあたしを見る。



「別にフツーだと思うけど…」



たまご焼きを飲み込んだあたしは、そう言って悠里に同意を求める。



「裕斗?別に怖くないよ?
ま、確かにちょっと軽い感じするけどさ」



もぐもぐと口を動かしながら言う悠里に、
あたしも「うん」と頷いた。






< 14 / 142 >

この作品をシェア

pagetop