オオカミいっぴき。~クールな不良と甘々❤ラブ!~
移動した藤岡くんの姿を確認する前に、あたしの体に影が落ちる。
見上げると、頭上に広がっていた青空は、藤岡くんの顔で見えなくなっていた。
近くなった距離に驚いているあいだに
耳のすぐそばでカシャン、とフェンスに指をかける音がして。
逃げられない状況のなか、藤岡くんのキレイな顔が迫ってくる。
「……ッ」
そして――
あたしは、その挑戦的な瞳から目をそらせないまま
一瞬の、キスをした。