オオカミいっぴき。~クールな不良と甘々❤ラブ!~



「……あれ? もしかしてこの前吐きかけてたひと?」



……やっぱり、コイツか。

バ会長はあたしを通り過ぎて、黒髪の子に近づく。

頬を真っ赤に染めたその子は、声をかけられると嬉しそうに顔をあげた。



「わ、私、田中紗衣っていいます……あの時は本当にありがとうございました! ご迷惑をおかけしてしまって……」

「え、いや別に救護室運んだだけでそんな大したことしてないですからー。頭上げてくださいよ」



今の会話から推理するに、どうやら気持ち悪くなったこの子をコイツが駅の救護室に運んであげたらしい。



たぶんコイツ運んだらすぐに出て行っちまって、名前も教えなかったんだろう。

んで、どうしてもお礼が言いたかったこの子は“この前”から今日までコイツのこと探してた……ってとこか。



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