労働の価値 その2
--- 0-0 ---

この金が、
そんなふうに流れつづけているということは…

…商品がうら表に姿をかえ、
「商品→おかね→商品」と、
入れかわり続けているという、
それだけをあらわす。

そんなふうに流れていくあいだ、
商品と、
金の価値の姿が、
向かいあったとたん、
金は、
消えてしまう。

商品に交換する「価値」があることを、
自分の「使う価値」とは関係なく、
自由にあらわす。

それは、
この流れのあいだでは、
あっというまのことだ。


そしてすぐに、
ほかの商品に取りかえられる。

だから、
おかねが、
「イメージとして」だけしか、
そこになくても、
だいじょうぶなのだ。

おかねが、
ひとりのひとの手からほかのひとの手に、
渡っていってしまうこのあいだであれば。

「働きとしてだけでしか、
そこにない」おかねが、
「ほんとうにそこにある」おかねを、
飲みこんでしまう。


< 368 / 426 >

この作品をシェア

pagetop