リビング
プロローグ
死ね ゴミ 臭い キモイ

灰色の教室の角に集っている三十人近い生徒達。
一人の少女が彼らに囲まれている。


死ね 消えろ クズ 失せろ


少女に向けて次々と浴びせられる罵声。

耳を塞ぎこみ疼くまっている少女の目は虚ろだった。

バケツいっぱいの水をかけられ、濡れた髪とセーラー服。

切り刻まれた少女の鞄はぼろぼろで、今の心境と全く同じだった。


死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね

不規則に連呼される“死ね”の二文字。
少女の心は尚も傷つく。


一人の生徒が不意に少女を蹴った。
犬や猫などの小動物を蹴るかのように。


痛い…。

声には出ないが心では叫んでいた。


休む事なく蹴られる少女はくたびれた人形のようだった。

蹴り終え満足した生徒は何事もなかったかのように教室を去る。

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