遠くから来た男の子
「ふう・・・町から見るより、丘の家ってずうっと遠かったのね。本当にこの道であっているのかしら…」

レムはだんだん心細くなってきました。口には出しませんでしたが、心の中ではやはり来なければ良かったと後悔し始めていました。

『お母さん6時には帰ってくるわ。その後、いっしょにレストランで食事して、楽しみにしていた映画を見る約束だわ。
でも、丘の家に行ったことが知れたら、映画の予定なくなるかも…
ジャンやリズの親だって心配するわ。それに、このまま迷子になったらどうしよう…』

「ねえ、やっぱり引き返そうよ」
と、レムが言うのと同時に

「きゃー」という悲鳴があたりに響きました。
リズが足を踏み外し、斜面を転げ落ちたのです。


「あいたたた…」


すぐにカルロが下りていきました。


「リズ、大丈夫?立てるかい。今そっちに行くからね」ジャンも続いて下りました。
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