あたし、人殺し
ごめんなさい
遺書  綾瀬有香

皆、ごめんなさい。

あたしは、人間としてすごく最低な事をしました。

たくさんの人をイジめました。

その時は、正直、全然罪悪感はありませんでした。

寧ろ、楽しかったです。

谷澤玲という、一人の女の子が死んだ。

その次の日の夜、とても大きな罪悪感が込み上げてきました。

玲にはすごく最低な事したし、謝っても、絶対に許されない。

本当に辛いのは、玲だったのに。

ごめんなさい。

あたしは自殺をして、逃げました。

最低な自分から、逃げました。

「醜い死に方をしよう」と思いました。

あたしが死んだら、皆には「綾瀬有香の馬鹿」と言って、笑ってほしいです。

玲の事だけ、考えて、あたしの事が馬鹿と言って笑ってください。

玲には空で謝ります。

あたしは地獄、玲は天国。

天国に足を運んで、謝ります。

そしてもう一生、生き返れない地獄に居ます。

一番怖い、罰を受けます。

本当に、ごめんなさい。

クラスの皆、先生、あたしがイジめた人、あたしに関係する皆。

そしてあたしのお母さん、お父さん。あたしがこんなに最低な人間で、ごめんなさい。

あたしは、一人になるのが怖かった。

誰かが居ないと、安心出来なかった。

誰かに必要とされないのが、怖かった。

あたしの周りに居てくれて、ありがとう。

あたしにとっては、皆必要だった。

皆、大好きだった。

好かれてる皆に、嫉妬してた。

だから、きっと悔しかった。

最期に、あたしはこんな事言える立場ではないけれど・・・。

どうか玲の事を、

玲のいいところを、

玲の最高の笑顔を、

絶対に、

絶対に、

絶対に忘れないでください。

そして、あたしがやった事の全てを忘れないでください。

さようなら、ごめんなさい。
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