恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜


「後悔の後に残るものって、結局苦しみなんだよね。」



川崎さんは視線を少し窓の外に向けた後、もう一度私を見た。



「私、改めて思ったんだ。こんなにいい仲間と水泳できてるんだもん、水泳部辞めたくない。だからこのまま勉強に打ち込まなくて水泳部辞めることになったら、絶対後悔する。」



川崎さんの目は、とても真剣だった。



「それに、『医者なんて…』とか思ってたけど、『親から決められた職業』じゃなくて『自分で選ぶ職業』として、もう一度ちゃんと考えてみようと思う。」



「川崎さん…」




ちゃんと、答えが出たんだね?



「都築さん、ありがとう。私、頑張るから。」



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