サラリーマン讃歌
正直まだ顔と名前が一致しなかったが、キャラは濃いものの、皆なかなか気さくな奴ばかりだった。

二十代のメンバーがほとんどで、田島と岡本だけが三十代だった。

「なんか俺が平均年齢上げちゃったな」

「ホンマやな。でも直哉が入って《チーム みそじーず》が一人増えたわ」

関西弁の岡本が笑いながら、俺のグラスに生ビールのジョッキをぶつけてくる。

「そうだな。三十路に乾杯だ」

そう言って、座長が高々とビールを持ち上げると豪快に飲み干した。

「でも直哉って若く見えるよね」

俺の隣に座っていた亜理砂が話に入ってくる。

「そうだよね。二十四、五くらいに見える」

更に亜理砂の横に座っている恭子も加わってきた。

「よく若くは見られるけど、この年になるとあんま喜べないけどな」

「そうか?俺は若く見られたいわ」

「岡もっちは、その親父くさいファッションをまず直さないと」

恭子がストレートに言い放つ。

「それを直すだけで五才は若返るよ」

「座長と直哉は三才しか違わないのに、見た目的には十以上の開きはあるもんね」

亜理砂はニコニコしながら、俺達二人を見比べる様に交互に見ていた。

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