サラリーマン讃歌

~梓との再会~

四月まであと一週間と迫った金曜日の夜に、久々に高嶋達と飲みに行くことになった。

場所はいつもの《居酒屋 赤提灯》だ。

「久しぶり、サクくん」

先に俺と高嶋が居酒屋に着いて一本瓶を空けた終わった頃、久保達が遅れてやって来た。

約九ヶ月ぶりに会う梓は、日焼けしていた小麦色の肌が白ぽっくなっており、肩よりも短かった髪も胸まで伸びていて、その髪をストレートにおろしていた。

「何か……大人っぽくなったな」

「でしょ。よく言われる」

そう言って無邪気に笑う梓の性格は相変わらずだった。

「初めまして、高嶋さん」

梓は高嶋に向き直ると、ペコリと頭を下げた。そういえば高嶋と梓は初対面だった。

「…………」

「あれ?どうしたんですか?」

何も答えずジッと梓の顔を見ている高嶋に、久保が不安そうに声をかける。

「……勿体ない」

「え?」

「久保には勿体ないくらい可愛い」

真面目な顔をして平然とそう言う高嶋に、久保は苦笑していた。

「ありがとうございます」

梓は満面の笑みで高嶋に再び軽く頭を下げた。

「まあ、座りなよ。二人も来たことだし、もう一回乾杯するか」

< 153 / 202 >

この作品をシェア

pagetop