サラリーマン讃歌
俺はゆっくりと三枚の便箋を封筒の中に入れると、引出しへと戻した。

この手紙を初めて読んだ時、俺の目からは大粒の涙が零れた。

空見子の想いと、最悪の結果にはなっていないという安堵感から涙が溢れてきたのだ。

そして、便箋には明らかに涙の跡ととれる染みが幾つかついていた。

どんな想いで空見子はこの手紙を書いていたのだろう。

そんな事を思うと俺の涙は止まらなかった。

学校の方は今でも休学扱いになっているらしい。

俺は窓を開くと空を仰ぎ見た。

夜空にはキラキラと輝く星達が、自己主張するかの様に精一杯の光を放っていた。

俺はその星達をじっと見詰めた。

今、俺が見ている星達を空見子も見ているに違いないと信じて……

星に願いを込めるように……

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