赤い鈴
でも可愛いからこちらも毎日と言っていいほど告白されている。

3人で出かけると、必ずと言っていいほど50メートルおきにナンパされる。

「着いたぞ」

アリスの一声で私は紹介をやめた。

-キーンコーンカーンコーン-

「あ、ぴったし」

-ガララッ-

そして私たちは理科室のドアを開け、中へ入っていった。

「アリス、希衣菜の席も取っとこうよ」

「そうだな」

私は自分の教科書をアリスと私の間に置いた。

-5分後-

「あれ? 先生遅くない?」

クラスメイトの一人が突然大きな声で言った。

「確かに」

私はポケットに入れてあるケータイを開いて時間を見た。

9時5分……

「遅いね、何かあったのかな?」

「やったあ、授業サボれるし♪」

クラスの女子が騒ぎ出した時、突然放送がかかった。

-ピーンポーンパーンポーン-

『えー生徒の皆さん、おはようございます。一時間目の授業ですが、職員会議が長引く

ため開始を30分遅らせます。生徒の皆さんは静かに担当の先生が来るまで自主勉強をし

ていてください』

-ブッ-

放送が切れた途端、皆は

「やったあ!」

と叫んだ。

おしっ授業サボれる♪

そう思った時、

-ガラララッ-

と思い切り後ろのドアが開く音がした。

「やっばあい、遅刻したあ……って先生は?」

希衣菜が息を切らせながら、理科室に入ってきた。

「お、遅刻常習犯の渡辺が来た!」

男子の声を無視して、希衣菜は私たちの座っている席へと歩いてきた。

「おっは~、春陽にアリス」

「おはよ~」

「遅かったな」

希衣菜はそう言うと私の教科書をどけて席に座った。
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