【実話】コイウタ・完

2005年2月

−2月−

〜♪〜♪〜

毎朝、7時に佑斗からの着信音が鳴る。


『もしも…し』

『詩音、起きたー?』

『起きたぁ〜。』

『早く学校行かないと遅刻するぞ。』

『めんどいからやだ。』

『ちゃんと行かないなら、今日1日メールも電話もしないからね?』

『やだ。』

『だったら頑張れ。』

『ほーい。』

『偉い!いってらっしゃい★』

『うん!いってきます!』



この頃の私は、一人で暮らしながらデビューを目指して頑張るはずが、実はかなり荒れていた…。



長崎にいた時は、友達と遊びに行ったことなんてほとんどなかった…。

まわりの子がみんなしていた、友達んちへのお泊りも数える程しか行ったことない。


家が厳しくて
門限は小学校から中1までずっと17時。

門限を少しでも遅れると、ママからの鬼電…。


小3の時に歌手になりたいって思い始めてからは、放課後はボーカルとダンスのスクールに通う日々が続いた。

それからずっと夢だけに夢中で、友達と遊んだり出来なかった…



でもそれでいい、って思ってた…。


スクールは楽しかったし、本気で歌手になりたかったから…。


でも、やっぱりまわりの友達みたいに遊びに行きたい…

お泊りに行きたい…


自分では、気付かないふりしてたけど、きっと心の中ではそう思ってたんだと思う…。


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