ハピネス 〜女になった私〜
ノブくんの優しい目は、いつでも私を見つめてくれていた。
握ってくれる手は、いつだって温かかった。
「未希の本当の気持ちが知りたい。俺の為とか、周りの目とか、そんなん関係なしに、未希はどうしたい?」
「私は・・・ダメだよ。」
「何が?何がアカンねん?」
「私なんか・・・」
「俺は未希がええ。“私なんか”なんて言うな。」
「私は・・・私は・・・ノブくんの子供を産んであげられない。」
「そんなん最初から分かってるわ!俺が聞きたいのはそんなんちゃう。」
「私は、ノブくんが好きだよ。だからノブくんには幸せになって欲しい!!」
その言葉を叫んだ次の瞬間にはもう、私はノブくんの腕の中にいた。
キツくキツく抱きしめられて、ノブくんの胸の中で、大声をあげて泣いた。
「アホ。さっさとそれだけ言ったらええねん。幸せにしたいんやったら、お前がそばにおったらええやろ。」
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