ハピネス 〜女になった私〜



幼稚園の頃から、男の子の遊びより、女の子の遊びの方が好きだった。



お姫様ごっこをすれば、自分がお姫様になりたかった。



車のおもちゃをもらってもちっとも嬉しくない。



舞の持っているリカちゃん人形が欲しかった。



周りに子供が少ないせいもあって、大人達も私もそれをおかしいだなんて思わなかった。



自分が他の子達と違うのかもしれないと、初めて気付いたのは小学校3年生の時。


私が好きになったのは、クラスで1番明るい男の子だった。


“僕は太一くんの事が好きだよ!”



まさか、それがそんなにいけない事だなんて、知らなかった。



女の子に笑われて、男の子から“オカマ”と呼ばれた。



太一くんは、口をきいてくれなくなって、クラスのみんなも私とは遊んでくれなくなった。



舞だけが私を庇ってくれて、いつも一緒にいてくれた。




.
< 55 / 230 >

この作品をシェア

pagetop