Secret×Secret
だんだんと、黒崎の居る場所へと近付いていく。
…とその時。
黒崎が眼鏡を外した。
「―――え…?」
―――あれ、黒崎なの…!?
そこには、見たこと無いくらい、綺麗な顔をした男子。
でも、髪型・服装は黒崎の姿そのもの。
でも…でもっ!!
―――ドサッ!!
「あ!!」
「…え」
ヤバい。
バッグ落としちゃった…
「…お前、長谷川…?」
「…」
あたしはコクリと頷く。
「はぁ…マジかよ」
黒崎はため息をつく。
あたしは、見ちゃいけないものを見てしまったのだろうか…
どこかで烏が“哀れだ”とでも言いたそうにないていた。
太陽が沈みかけて、空は薄暗い。
あたしの心も薄暗い。
黒崎はあたしをじっと見た。
「ちょっと着いて来いよ」