純愛バトラー

君に会えたから

 あれから更に何日か経った後、久々に絵理と一緒に紅葉の病室を訪れた。

 まだ十一月だというのに、街にはクリスマス用のイルミネーションが飾られ始めている、そんな季節。

「陣! 絵理さんも。来てくれたのね。うれしいな」

「暫く面会に来れなくてすまぬ。調子はどうだ?」

「二人が来てくれたから、元気出たよ。ありがとね」

 紅葉はそう言ってにこりと笑った。

 今日も、お気に入りのウサギの帽子をかぶっている。

 長かった亜麻色の髪はショートになっていて、帽子から少しだけ明るい色の髪が覗いていた。
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