世界は変わる ー俺様の愛した男ー【BL】
“最低”。
聞き捨てならないその言葉に、俺は思わず立ち止まった。
廊下が徐々に騒がしくなってきたが、それすら耳に入らない。
真っ直ぐ黒沢に向かって行き、奴の胸倉に掴みかかる。
それでも奴は、表情を変えない。
「てめぇ、何様のつもりだ?
この俺に向かって……」
“最低”、だなんて。
「…………………」
「…………………」
「…………………」
それからどれくらい睨みあっていたのかわからない。
しかし、次に口を開いたのは、黒沢の方だった。
「お前が何者だろうが、俺には関係ない」
その言葉を聞いて、俺は荒々しく奴の制服から手を離した。
そして、口元を歪めて、
「俺様にそんなこと言ってただで済むと思ってんのか?
なんなら、この場で退学にしてやっても良いんだぜ?」
と、挑発的な笑みを浮かべる。
ここまで言えば、さすがのこいつも……
「退学にでも何でも、好きにすればいい」
「………あ゙ぁ?」
返ってきたのは、予想外の投げやりな言葉。
………本気で言ってんのか?こいつ。
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