世界は変わる ー俺様の愛した男ー【BL】
4.専属執事現る!?
――――――――………
「……様、唯斗様、」
「……あ゙ぁ?」
「着きましたよ」
穏やかな笑みを浮かべて振り返ったのは、運転手兼ボディガードの山岸。
どうやら俺は、帰り途中の車の中でいつの間にか寝てしまっていたようだ。
「だいぶ、疲れているようですね」
乱暴に目をこする俺を見て、山岸はクスリと笑った。
「……なんでだよ」
あからさまに不機嫌な声で、聞き返すと……
「寝顔を見れば、それくらいわかりますよ」
楽しそうに、そう答えた。
「覗きかよ……
趣味悪いぞ、山岸」
思わず反論したが、俺は未だ夢の中のような表情。
説得力なんて、あるはずもなく。
「ご心配なく。
ミラーに映ったのを、チラッと見ただけですので」
アッサリと、返されてしまった。
――――山岸は俺にとって、言ってみれば祖父のような存在だ。
いや、祖父と言うには、少し若すぎる気もするが。
仕事の忙しい両親に代わって、俺の世話をしてくれたのも山岸だった。
いつから榊家に仕えているのかは、よくわからないが……
なんにせよ、俺が今まで生きてきて一番一緒にいる時間が長いのは、山岸に違いない。
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