戦国サイダー
一瞬斜めに私を見たけど、ちらっと麦茶に視線が行った。


早く飲んでくれないかな、気を逸らしたいんですけど。



「娘、お前が先に飲め」


「は?」



おおっと、驚き発言です。


これはあれですか、時代劇とかでよく見る「毒味」ってやつですか!?



「いや、私は自分の飲んでますし」


「それはお前の器だろうが。儂のを飲め」



どこまで人を疑うんだ、この男は。



「ただの麦茶ですって」


「そんな飲み物など知らん」


「夏の定番じゃないですかっ!? ああ、もうわかりましたよ! 飲みます!!」


 
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