戦国サイダー
だけど、やっぱり私は現実の人間なのだ。


もし私なんかがここからいなくなっても世界はほとんど変わらないかもしれない。


でも虎がいた時代からいなくなったら、世界は、少なくてもこの地域は何か変わってしまうかもしれない。



一緒に行けたら幸せだね。



それが出来るのならば。



「次の三叉路の一番左を行ったら、後は道なりに進むだけ」



答えはもらえないけれど、道をぐんぐん進む。


林に入って、蝉や鳥の鳴き声で溢れかえって。


木々の日陰にひとときの安らぎを得て。



辿り着く先は――





未来。


 
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