戦国サイダー
「もう馬鹿っ……何よ、最後自分だけっ……」



途端に堰を切って溢れてくる感情。



「馬鹿、ばかばかばかっ! 勝手過ぎるじゃないっ……」



止めるものがなくなれば、簡単に流れ出てくる気持ち。



「最後ぐらい、優しくしてよ、笑ってよ、顔を見せてよっ……虎なんて嫌い、きらい、きらい……だいっきらいっ……」



乾いていない地面が、膝を湿らせた。





「……だいすき」


 
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