虹のかなた〜Second Love〜(実話)


『だ〜るまさんが転んだ!!また麗奈先生動いた!!もう三回目だからね』


『あと一回だけしよう!負けたら腕立て伏せするから!!お菓子も付けてあげるし!!ねっ!!』


『麗奈先生、弱いからつまんない』


空手着を身につけながらも、道場での場違いなこの風景



あたしがコーチの日は、基礎だけはミッチリして残りの時間は子供とのコミュニケーションにしていた


毎日厳しい監督の練習を耐えている子供達へのささやかなプレゼントだった


そのコミュニケーションによって子供達の変化にも気付けるし、子供達の笑顔があたしのエネルギー源となっていた


まぁ…子供達より夢中になって毎回楽しんでいるのは、あたしの方なんだけどね






『先生!!さっきから知らない男の人が覗いているよ』


子供の一人があたしの耳元で呟いた


その子が言っていた方向に視線に向けると道場の入口で派手な色を着た男の人が立っていた


子供達の父兄かもしれないので、とりあえず頭を下げ挨拶をした




あの胸元辺りでキラキラ光っているネックレスはまさか……あたしは男の人の方へ近寄ってみた










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