嫌いな男 嫌いな女

『誕生日のケンカ』




受験もそろそろ本腰入れてやらないと……。そう思いつつ、塾に通うのもめんどくさいし、家に帰っても勉強なんてしてらんねーし。なんだかんだ、クラブに顔を出してしまう日々。

まあ、多分大丈夫だろ。
俺の偏差値よりちょっと低いくらいだし。必死こいて勉強するほどでもねえや。

ってことをおかんに言ったらすげえ怒られるんだろうけど。


一緒にクラブに顔を出していた明宏も同じ高校を希望している。

俺よりも余裕で合格できるらしい。

っていうかこいつが同じ高校にしたのって彼女の高校の近くだからだ。こいつならもう2つくらい上の高校にも行けるっていうのに。


「あー今日もストレス発散した!」

「巽にストレスなんてあんのかよ」

「繊細なんだよ、俺は」


家に帰れば勉強勉強おかんがうっせーからな。渚も渚で小言が多くなってきたし。自分はバイト三昧なくせに。


「あの山森先輩……」


スッキリした気分で体育館から出ると、見知らぬ女から声をかけられる。
気を利かした明宏が先に校門に向かって行って、その間に女の子からの告白を受けた。


「あー、悪いけど」


そう言って断るのにも最近は慣れたな、と自分で思う。
これを明宏や悠斗に言えばすげえ文句を言われるんだけど。

3年になってからやたら告白をされるようになった。後輩が多いみたいで、どこで俺を知って俺の名前を知ったのかわかんねー。

なんでそんな俺を好きになれるのかもわかんねーや。

知らなさすぎて付き合うとか全く考えらんねー。今は明宏や悠斗と騒いでいる方が楽しいしなあ。ゲームとかで毎日忙しいし。明宏みたいにデートとかできねーよ。

確かにかわいい子とか、優しそうな子もいるけど。

付き合うとか今はめんどくさすぎる。
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