幼なじみな僕ら。
聞かなくても、分かりきったことだった。
「やっぱ、あっこも、オレの気持ち気づいてたか」
爽が笑う。
・・・きっと実羽に言われなければ、
あたしは一生知らなかった。
爽の、あたしに対する気持ちなんて。
・・・バッカみたい。
あたしが好きなのは、先輩なのに。
実羽に言われたあの時から、
あたしは爽を意識し始めてる。
今までにないくらいに。
幼なじみとは、違う意味で。
好きだって知って、こんなに気持ちがぐらつくなんて。
あたしはどれだけ軽い奴なんだろう。
自分が、いやしく思える。