オモチャのキモチ【短】
「お。
イーコト思い付いた。
ンナ悪いオモチャなお前には誰が見たって俺のモンって書いとかなきゃだよな。
自分で出来ないんなら、持ち主の俺が、な。」


猫の瞳と同じぐらいにくるくると良く変わる彼の気分は、なんだか楽しそうな事を思い付いたお陰で今度は絶好調に良くなったみたいだった。


「さっさと起き上がってこっちに座れっ!
ぐずぐずしてんじゃねえよっ!」


彼の気分を害さないように、私はノロノロと床の上から自分の身体を引き剥がし、彼が指定した椅子へと座った。


「誰から見てもわかるトコに、俺の名前を書いとけばいいんじゃね?
俺って天才?」


ウキウキとした弾む声で話す彼が、ポケットからバタフライナイフを取り出して私の頬に当て。


そうしてその場所に熱い痛みが走っていくのを。





私はただ、ただじっと。


身じろぎをしないように努めながら。


彼から与えられるモノをかみしめていた。





      完
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