続きは、社長室で。
私の身体はピタリと、動きを止めてしまう。
彼の命令には、逆らえないから・・・
「な…、何でしょうか?」
今にも泣きそうな私は、振り返らずに尋ねた。
だって・・・
私の求める言葉は、貰えるワケなくて。
社長が齎すモノは、陥れるだけのハズだから――
「ハァ・・・」
背後で、社長の溜め息が聞こえた。
「っ・・・」
その所作さえも、私を追い詰めていく。
神経が過敏すぎて、もう涙腺が限界なのに・・・
「いいか、蘭・・・
何を聞いたとしても、お前は変わらない。」
「・・・っ!」
思わずビクッと、肩を揺らしてしまった。
「…話は、それだけだ。
引き止めて、悪かったな――」
社長が立ち去る靴音が、夜の静けさに響く。
「っ…、…っ・・・」
声を押し殺して、ゆっくりと歩き始める私。
ぼやける視界が、未来を表すようだった・・・