花火
「隼人…パパって呼んでいい?」
「ふざけんなよ」
隼人が私の脇腹を勢いよくくすぐる。
2人で思いきり笑ったあと、隼人は優しく微笑んだ。
部屋の空気が一瞬にして変わる。
長い沈黙。
本当は少しの間だったのかもしれない。
でも私には永遠に続いていくかのように感じた。
緊張感のある、だけどとても神聖で柔らかい空気。
隼人の手がゆっくりと私の髪に触れた。
流れるように私の髪をすり抜ける少しひんやりとした手。
「夏花、好きだよ」