悲恋‐幼い恋‐



弘樹が慌てて振り返る。回りの目が痛いけど、そんなの気にしない。


弘樹との距離は10m。


大声で叫ぶ。

「弘樹ーーーーーー!!あのね!!あたし、やっぱり弘樹が好きなの!!!!

弘樹じゃないとだめなの!!!」


弘樹は驚いた顔してる。
「何言ってんだよ!瞭良はどうしたんだよ!!!」

「許してくれたの!!!
頑張って、歩けるようになるんだって!!

あたし、また弘樹と一緒にいたい!!

だめ!?」


お願い………。
弘樹と一緒にいたいよ…。

弘樹は、優しく微笑んで、

「いいに決まってんだろ!!

瑠実、好きだ!!」

って言った。


……嬉しい…!!!

弘樹に駆け寄ろうとした、そのとき。



























右折してきた大型トラックが、弘樹をとらえた。





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