其の名はT・Y
第1話「俺とT・Y」
その日はさ、俺、彼女と待ち合わせしてたんだ。

場所?どこだったかな…あー、思い出した。

俺んちから2つ隣の駅前な。確か映画見にいくって約束だったんだ。

んでさ、珍しく早く着いたんだよね。

いつもは大体10分くらい遅れてさ、彼女にどやしつけられるのがパターンなんだけど。

まあ、なんでかって言ったら時計1時間見間違えただけなんだけどさ。

んで、まあ彼女急かしてもしょうがねえから待ち合わせ場所でぼーっとしてたんだわ。

つってもまあ、1時間あるわけで、ヒマだろ?

ジュース買って来たり、トイレいったり、配ってるティッシュ貰いに行ったり。

いやいや、わかってるからみなまで言うなって。

そうだよ、俺は待ち時間の使い方が致命的にヘタクソなんだよ。

まあ、そんな俺の欠点は置いといてだ、そんな感じでフラフラしてたんだよ。

時計みたらあと20分ってとこでさ、まあ彼女はしっかりものだからそろそろ来るんじゃねえかなとか思ってさ

驚かせてやろうと思って改札に向かったわけだ。


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