其の名はT・Y
私は何も言えなくなって目をそらす。するとまた、目の前で通信のランプが点いているのに気づいた。

<<こ、こちらシードッグです、どうぞ>>

<<あーあー、こちらは合衆国大統領、ジョーイ=バッシュだ。シードッグの諸君ご苦労だった。任務は終了だ、帰還したまえ>>

私の耳はどうかしてしまったのだろうか。

こんな一介の中規模潜水艦にプレジデントが直接通信?さっきからのこと全てが悪い冗談か悪い夢か悪いドラッグでもキメて見た幻覚としか思えない。

<<なお、今回の作戦については今後極秘とし、一切の情報漏洩を禁ず。もちろん>>

大統領を名乗る男は強調するように一拍置いてから言った。

<<私の親友、T・Yについてもだ>>

実際の空は数百メートル上の海面のさらにさらに上ではあるが、思わず私は天を仰いだ。

< 29 / 29 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

いちご塾
六代目/著

総文字数/11,744

その他15ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
塾からいつか熟へと至るための課題の数々 10/19 21:00 第1回楓教室 本文公開しました
勉強会課題
六代目/著

総文字数/4,100

その他6ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
早く人(並の文章が書ける層の仲)間になりたぁい!
ショートショートの林
六代目/著

総文字数/8,960

その他22ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
昔書いたショートショートです。 メインの小説の合間合間に ちょろりとお読み下さい。 一つ一つ独立した話なので完結ボタン押しときます。 適当にレビュってつかぁさい。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop