HEAVEN
その日が終わってみればあっという間で
私はまた朝日をバックに
店を歩き出した。
私のロッカーは
ゴミ箱として再利用されるよ
とAさんは笑っていた。
花束の一つも期待してはなかったが、山葵の姉妹店のママからは餞別を頂いた。
「あんたは技術はないけど…大事な物を持ってたからね…
私結構気に入ってたのよ?」
優しい眼差しでそう言うなんて、あの人はずるいお人。
進めた足は新宿駅について
私は今日も
春日の中揺られて小田急にて帰る。
今はまだ人もまばらなホームも
あと一時間もしたらぎゅうぎゅうに
なると思うと つい不覚にも笑ってしまう。
「間もなく電車が参ります―
白線のうちに…下がって…」
今日も東京は何も変わらない風景。